令和7年2月発行「令和5年度人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
長年に渡り採用活動を行ってきたが、この先事業を継承してくれる若手の採用が進んでいなかった。
コンサルティングを受ける前はどのような状況でしたか?
山方様当社は主に金属のリサイクル事業を行っている会社です。10年ほど前から業績が伸びており、創業100周年を迎える2028年を見据えて「事業を繋いでいく後継者の採用が必要だ」ということを代表の鈴木と常々話していました。事業継承のためにも若い年代、欲を言えば新卒の人材を確保したいと考えていました。
鈴木様長い間ハローワークや有料求人媒体で営業職とトラックドライバーの募集をかけていたのですが、応募はほとんどありませんでした。あったとしても当社にマッチする方はなかなか現れない、そんな状態がずっと続いていました。
コンサルティングはどのようなことから始めましたか?
山方様まず、求める人材像の整理から始めました。「若い世代、できれば新卒」と伝えると「それは御社の業界で考えると、1名の人材を20社以上で奪い合っている状態です」と言われ、ショックでした。しかしそのおかげで、意識を変えていかなくてはという気持ちになったんです。
鈴木様一番力を入れたのは求人票の書き方です。以前の求人票は“歴史ある真面目な会社の営業職”というイメージを硬い文章で打ち出していて、私たちは「これがいいよね」と思っていました。でも、それではダメだったんです。「会社がどういう文章を望むかではなく、求職者がどういう文章を望んでいるかを考えて書きましょう」と言われ、今でもとても印象に残っています。
山方様求人票の作成は、コンサルタントが出してくれた例を参考に私たちも案を出すという流れで進んでいきました。挙げてもらった例は我々とは全く違った視点で、かなり砕けた文体だなという印象を持ちました。仕事内容に関しては、リサイクル事業の魅力が伝わるワードや、読んだ人がワクワクできる文章を入れましょうとアドバイスをもらいました。硬かった文章がどんどんやわらかくなっていったのですが、その象徴と言えるのが職種名です。コンサルタントから「いわゆる営業職とは違うから、リサイクルコーディネーターとしてみてもよいのでは?」と提案があったんです。私たちにとっては、思ってもみなかった名称でした。
コンサルティングの感想を教えてください
山方様私はこの会社に入社してから諸先輩方を見習い、確固たる信念のもとで仕事をしてきました。絶対に譲れない部分があり、正直、最初に提案された砕けたキャッチコピーや職種名には少し抵抗がありました。応募者が軽い気持ちで来るんじゃないかと思ったんです。しかし結果的には多くの応募があり、良い人材を採用できました。今後も会社を継続していくためには、受け継ぐべき部分は大切にしながらも、若い世代の気持ちを意識して、常に新しい考え方を取り入れていく必要があると、コンサルティングを通して感じました。
鈴木様多くのお客様に信頼していただくことが企業の役割だと思っています。そのためには規模を拡大するだけではなく、しっかりとした組織を構築していく必要があります。そう考えるとまだまだ人手が足りません。コンサルティングで学んだことを活かして、引き続き採用活動に取り組んでいきたいと思っています。