令和5年2月発行「令和3年度 人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
10年ぶりの営業職採用だったが応募がほとんどない。10年前同じように募集していた時にはそれなりに応募が来ていたが、何か対策を講じなくてはと考えていた。
どのような状況でコンサルティングに申し込んだのでしょうか?
中野様今回、営業職の採用は10年ぶりでした。久しぶりの求人募集だったのですが、1ヶ月経っても応募がほとんどなかったんですね。10年前もハローワークで募集したのですが、その時はけっこう応募があり、今回も同じように考えていたので少し焦りました。どうしようかと考えていた時に、たまたまコンサルティングのチラシを見つけまして。今の状況とコンサルティングの内容がぴったりだったので、早速申し込みました。
最初、コンサルタントとお話をした際に、求職者の志向や、区内に勤めている方の平均年収などを、データや具体例でいろいろと提示してもらえたんですね。それがとても新鮮でした。これまで、営業に限らず事務職でも採用が必要な時はハローワークに求人票を出せば、応募も来て、問題なく採用ができていましたから、こうやってさまざまな情報をもとに採用に向けた取り組みを行っていくということを初めて知りました。
どんなことに取り組みましたか?
中野様まずは、求人票の改善から始めました。項目ごとに順を追ってアドバイスを受けましたが、ほぼ全ての項目で修正が必要だと言われてしまいました(笑)。例えば、職種名も以前はシンプルに「営業」の表記だけ。仕事内容も「ルート営業」というような最低限の表記にしていました。コンサルタントからは、求職者の目線で考えてくださいと。「中野さんはこれで良いと思うかもしれませんが、情報が少ないということは、求職者にとっては不安なんですよ」と。ガーンと、頭を叩かれたような気持ちでした。
改善にあたっては、求職者の不安をできるだけ取り除くことをテーマに表記内容を考えていきました。職種もより具体的に、仕事内容もイメージしやすいよう、1日の流れを表記し、それをベースに補足を加えていくなど。私が内容を考えて、コンサルタントに添削してもらうということを、何度か繰り返して求人票が完成。このやりとりの中で、私自身が気づかなかった会社の魅力も知ることができました。熱海に保養所があるとか、年に1度食事会があるとか、私にとっては当たり前だと思っていたことが「それはアピールできますよ」と言ってもらえるなど、新しい発見の連続でした。
求職者からの反応はいかがでしたか?
中野様新たな求人票をハローワークに出したところ、すぐに反応があり、最終的に8名の応募がありました。これまでがウソのような反応で、驚きです。結果、3名の方と面接し、20代後半の方を採用しました。営業経験はありませんでしたが、英語が話せるということもあって採用させていただきました。我々は貿易商社ですので、ある程度語学力があると仕事に入りやすいんですね。今も元気にがんばっています。今はまだ修行中なので、私と同行する事もありますが、なかなか営業のセンスがありますよ。
コンサルタントからは、採用して終わりではなく、長く活躍してもらえるようきちんとフォローをしてあげてくださいと言われています。「些細なことでも丁寧に説明してあげてください」と。正直、私は昭和の人間なので、そこまでするの?と思ったりもしましたが、「求職者目線で」という言葉を思い出し、相手の目線で考えるようになりました。こちらは当たり前のことと思っても、相手は全く知らないことだろうから一から教えよう、とか。10年前の自分が今の自分を見たらびっくりすると思いますよ。それくらい意識が変わりましたね。
印象に残っているアドバイスなど何かありますか?
中野様本当にいろいろと勉強させてもらいましたが、一番印象に残っているのは、「ラブレターを書くつもりで求人票を書いてください」と言われたことです。そういうものなのかと、私には全く無かった発想だったので、記憶に残っていますね。そこで言うと、実はコンサルティングの後に岡山支社で人材が必要になったのですが、その際に今回教わったことを活かして求人票を作成しました。この支社では6年前に同じ募集をしていて、その時はなかなか応募がなくて苦戦したんです。でも今回はすぐに応募がありました。最終候補に残った2名も良い方たちで、1名選ぶのにすごく悩んだほどです。このコンサルティングを受けておいて良かったなと、つくづく思いました。ありがとうございました。