令和4年2月発行「令和2年度 人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
年に2~3回採用活動を行っているが、徐々に応募が減り、採用そのものが難しくなっている。経験豊かな社員をステップアップさせるためにも、新しい人材の採用と定着を進めたい。
どのような採用状況から申し込みに至ったのでしょうか
北岡様採用をしない年もありましたが、だいたい年に2~3名の採用を行ってきていたのがこれまでの状況です。さまざまな事情もあり、一定の離職者が出るのは仕方がないことですので、それに合わせて採用を行っていました。ただ、ここ数年は徐々に応募者が減ってきて、なかなか採用に結びつかない状況が続きました。何がいけないんだろう、何が足りないんだろうと考えていた時にたまたま、しごと財団の方からコンサルティングの話をいただきまして。採用に関しては素人でしたし、少し教えをいただいた方がいいだろう、とお願いすることにしました。
どのようにコンサルティングは進みましたか?
北岡様これまでもハローワークを通じての採用が多かったものですから、求人票を改善することから始めました。コンサルタントからは、情報量が少ないという指摘とともに、テクノウェイがどんな事業をしているのか、その中でどんな仕事をするのかがイメージしづらいと言われました。実は、同じ時期に有料求人媒体への掲載も決まっていまして、媒体担当者からも同じようなことを言われていたんです。
そのため、このタイミングで大きく内容を見直しました。指摘された部分について、できるだけ詳しく表記することもそうですが、箇条書きにして、見やすく読みやすくするなど「求人票の見せ方」も含めてアドバイスをいただきました。また仕事の特徴として、イレギュラーな対応が少なく、基本的には同じ業務の繰り返しである点や、土日が休みであることも魅力になるとのことで、アピールしました。非常に勉強になりましたね。
作り直した求人票での効果はいかがでしたか?
北岡様有料求人媒体からは1名、時期は異なりますが、ハローワークからは2名採用することができました。2名とも30代です。1名は職業能力開発センターに半年通われていて、そこで電気や設備関連の勉強をしていたそうです。もう1名は電気工事の仕事をされていたのですが、休日も不規則で激務だったらしいんですね。ウチよりも給与は高かったのですが、安定した休みとイレギュラーの少ない仕事ということで応募してくれたようです。
応募者が増えたか、というとそうではなかったのですが、採用した2名に関しては、きちんと求人票を見てくれたんじゃないかという印象を受けました。1名は給与が低くなることがわかっていても応募してくれました。営業職の経験もあって非常に人当たりもよく、現場での評価も高いです。今後に期待しています。
面接のレクチャーも受けたとか
北岡様そうですね。「面接でも聞いてはいけないことがある」など知らなかったことがたくさんあったので、非常に勉強になりました。あと、やはり面接って緊張されている方がほとんどですので、仕事とは関係のない話をして和やかな空気をつくるとか、そういうことも意識するようになりました。わざわざ来ていただいたのですから、気持ちよく帰っていただこう、と今では心がけています。
コンサルティングを受けてみていかがでしたか?
北岡様私は父が代表だったこの会社の後継者として、5年前に入社しました。それまではIT業界に20年間いましたが人事関連の経験は全くありませんでした。わからないことだらけの中、手探りでやってきたんですね。面接を始めたのもここ1~2年くらいのことで、未経験の私が面接をしてもいいのかな、というのが正直な気持ちでした。今回コンサルタントからアドバイスをいただいて、経験ゼロから初心者程度にはしてもらえたかなと思っています。
採用だけでなく、人材の定着も大切だという話もいただきました。新しい人材にはどんどん活躍してもらい、経験豊富な社員にはステップアップして会社を引っ張る人材に育ってもらう。そうした次世代の組織をつくっていくためには、働きがいのある職場づくりや、給与の見直しが必要だと感じています。今後は採用とともに社内にも目を向けて、いろいろと取り組みを進めていこうと考えています。