令和4年2月発行「令和2年度 人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
事業戦略の一環として、採用を強化しようと方針を打ち出し活動をしていたが、なかなか結果が伴わず限界を感じていた。新たな人材を採用し、今いる中堅社員をステップアップさせたい。
どのような採用状況から申し込みに至ったのでしょうか
光達様1年前に父が社長であるこの会社に入社したのですが、その前までは上場企業に勤めていました。その経験も踏まえて組織を見直したときに、将来を見据えて新しい人材を育てる必要があるだろう、と採用を強化していくことにしました。
ハローワークに求人票を出すことはもちろん、いろいろ探して掲示できるところには求人を出していたのですが、あまり反応が良くなかったんですね。応募があっても結局は内定辞退されてしまうことが続きまして。そんな中で、ハローワークを通じて採用コンサルティングのことを知りました。これはプロの手を借りた方が良さそうだな、ということでお願いすることにしました。
どのようにコンサルティングは進みましたか?
光達様コンサルタントと話をする中で、まずは採用の背景や熱意を求人票に表現していきましょうということになりました。求人票の見直しにあたっては、改めて我々はどんな理念のもとにどんなビジネスをしているのか、というところから見つめ直しました。また「この会社で働く魅力は何か」を知るために、社内アンケートも実施しました。
そうした準備を経て求人票はどう改善されましたか?
光達様他の求人でもよくある表記だと思うのですが「月給25~35万円」のように当社でも幅のある給与表記をしていたんですね。これは未経験者から経験者まで幅広い応募者を想定していたからなのですが、じゃあこの10万円の差は何が違うんですかと問われた時に、明確な設定ができていなかったんです。そもそもニッチなこの業界の、さらに経験者ともなると対象者数は相当少ないだろうということに気づき、今回は若手の未経験者に絞った求人票を新たに作ることにしました。
職種や仕事内容をかみ砕いてわかりやすく表現するなどの工夫でしょうか
光達様そうですね。給与は幅のある表記を無くして、仕事内容もわかりやすい表現を心がけました。入社してからの教育体制や「一緒に成長していきましょう」というメッセージ、ニッチな業界だからこそ競合が少ない、公共事業も多いから安定した経営を続けているなど、さまざまな角度から求人票でアピールしました。コンサルタントに見てもらいながら、恐らく10回以上は修正を重ねたと思います。
またコンサルタントからのアドバイスで、サービスエンジニアの経験者向けと、別途営業職の求人票も作成しました。経験者からの応募があるかもしれないですし、営業職は求職者が多い職種とのことで、少しでも求職者との接点を増やしましょう、と複数の求人票を出しました。
結果はいかがでしたか?
光達様結果的には、未経験の方を3名採用することができました。2名はハローワークから、1名はハローワークより少し後に掲載した有料媒体からの応募者です。狙い通りといいますか、ハローワークも有料媒体も未経験者向けに作成した求人からの応募です。1名は女性で異業種からの転職だったのですが、面接時の印象が良かったことが当社を選んだ理由のひとつになったようです。正直こういう業界ですし、女性からの応募は想定していなかったので良かったです。
面接に関しても何かアドバイスを受けたのでしょうか
光達様ひと通りレクチャーしていただきました。今回の面接でもそれがいきたと思います。以前の面接を振り返ってみると、応募者が面接に来た時点でこちらは採用する気満々なんですよ。もういきなり判断を迫ってしまうような、そんな面接でした。応募者からすればそんな大事な判断を、企業のことをろくに知りもしないで決められませんよと。ですので、最初はお互いに自己紹介をして、会話の中で気持ちを高め合うようなステップを踏んで、面接を進めていくということを学びました。
コンサルティングを通して得られたことは何でしょう
光達様今回、全5回のコンサルティングを2週間おきに行きました。手順を踏み、毎回出てくる課題をコンサルタントにリードしてもらいながら、真摯に向き合って解決していく。そうすると、おのずと私たちはこういう会社で、こういうことがアピールできるんじゃないかということがわかってきて、整理されていくんですね。私だけで知見を集めたとしても、どう整理するのかがわからないといかしようがなかったと思います。こうした採用活動におけるプロセスを経験できたことが、今回の一番の価値だったと感じています。ありがとうございました。