令和5年2月発行「令和3年度 人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
契約社員が退職予定。正社員の採用を進めたいが、社長に就任して間もないこともあり、採用活動の進め方に不安があった。
どのような経緯でコンサルティングに申し込んだのですか?
岡田様私どもは従業員5名、少数精鋭の組織です。当然、1人でも欠けると事業運営に大きく影響するという背景がある中で、契約社員が期間満了で退職することになったんですね。急いで人材を補充する必要があったのですが、人の入れ替わりが多いと現場負担も大きくなりますし、ここは正社員として長く活躍していただける人材を採用しようと考えていました。
ただ、実は私自身が代表に就任して1年目。しかも異業種から転職してきた身で、会社のことを充分把握しきれていない中、どうやって採用を進めようか悩んでいました。その頃、たまたま手にしたのが、まさにこの「コンサルティング好事例集」でした。私と同じような悩みを抱えていた中小企業の採用事例を目にして、これは相談しようと、すぐに申し込みをしました。
何に取り組まれたのでしょう?
岡田様事例集にもよく出ていましたが、求職者の目に留まる魅力的な求人票を作ることが課題だなと感じていたので、それをコンサルタントに相談しました。というのも、過去にハローワークに出していた求人票を見ると最低限の情報しか記載されていなかったんですね。それもあって、求人票のアドバイスを求めました。
私自身がまだこの業界に不慣れであることをお話ししたら、まずは、今回募集する仕事について、できるだけ詳細に書き出してみましょうと言われました。営業は、日々どこに行って、何を、どれくらいの時間をかけて行っているのか。わからないことは、一つひとつ社員にヒアリングをして細かく書き出していきました。
また、この仕事の魅力ややりがいは何かを知るために、社内アンケートを実施しました。その中で多く挙がっていたのが、「自分なりの考えで仕事を進められる」という声です。少数精鋭の会社ですので、仕事の裁量は個々に任せている部分が大きい。それをやりがいに感じている社員がほとんどでした。こうした情報収集を経て、仕事や会社について丁寧に記載された、すき間のない求人票ができあがりました。
印象に残ったアドバイスを教えてください
岡田様細やかなアドバイスもありがたかったのですが、一番は、「何でもいいから相談してください」と言っていただけたことです。これは、全体を通してとても心強い言葉になりました。例えば、どんなに良い人材が採用できたとしても、社員との相性が良くなかったらどうしよう、とか。何せ5名の会社なので人間関係はとても重要なんですね。そんなことを相談して、社員一人ひとりの人となりなどを話したら、次のコンサルティング時には、ウチの社員じゃないかというくらい全員のことを把握されていて。既存社員との相性も含めて、「こういう人が御社に合っているのでは?」などとアドバイスしてくれました。何でも相談にのってくれるコンサルタントの存在は本当に心強かったです。
求人票の反応はいかがでしたか?
岡田様ハローワークに求人票を出すとすぐに反応があって、最終的には5名に応募いただきました。残念ながら採用には至らなかったのですが、その後「東京しごとセンター」を通して40代の方を採用することができました。正直、東京しごとセンターも知りませんでしたし、ハローワークだけでなく、コストをかけない採用の選択肢がたくさんあることを知れたのも、今回の大きな収穫でした。
採用成功のポイントは何だと思いますか?
岡田様先ほど、社員同士の人間関係がとても大事だと話しましたが、そういう意味で今回の採用活動では、営業部長にも選考過程に入ってもらい一緒に採用を進めました。私一人で全てを決めてしまうより、現場で一緒に働く社員も認めた人を採用する方が良いよねということをコンサルタントとも話をしていました。面接にも同席してもらい、直接応募者と話をしてもらった上で採用したため、私だけでなく社員みんなの歓迎ムードがある中で、新しい仲間を迎え入れることができました。コンサルティングを受けていなければ、今回のような採用は難しかったと思います。同じような悩みを抱えている中小企業の経営者は多いと思いますし、もっとこの事業が周知されることを期待しています。
令和4年2月発行「令和2年度 人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
約20年ぶりの採用活動。20年前は有料求人媒体を使用していたが、お任せだったため、採用に関する知見がない状況。ポピュラーな職種ではないため、募集に対する反応も未知数。
どのような採用状況から申し込みに至ったのでしょうか
片桐様当社は、社員2人体制で事業を行っているのですが、2人とも今年と来年で定年を迎えます。嘱託社員として残ってはもらうのですが、事業を繋いでいくためには当社の未来を担う人材が必要なため、約20年ぶりの採用活動を行うことになりました。
2年前に東京都の助成金を活用して、イタリア製の最新レーザー加工機を導入しました。その際にお世話になった中小企業復興公社の担当者から、今回の採用コンサルティングの話をいただいたことがきっかけです。
コンサルティングはどのように進んでいきましたか?
皆川様まず、事前に我々の事業内容やどのような人材が欲しいのかなど、事細かにヒアリングしていただいたんですね。20年前に採用したのも短期のアルバイトさんで、有料の求人メディアに掲載したので、ほとんどお任せしていました。だから、時間をかけて真剣に聞いていただけたことは新鮮でしたし、熱意も伝わってこちらも安心して相談することができました。
その後、コンサルタントから「自社のアピールポイントは何ですか?」と問いかけられたのですが「ん?」と。普段、自分たちではあまり考えないことなので、スラスラとは出てこなかったんですね。ここは次回のコンサルティングまでの宿題ということで、改めて片桐社長と考えることになりました。
どんなアピールポイントが出てきましたか?
片桐様そうですね、弊社は実働7時間なので、一般的には実働8時間の会社が多い中、そこが魅力の一つになるのかなと。あと、会社の目の前に植物園があって、お昼休みに屋上に登ると気持ちいいんですね。アピールになるかどうかはわかりませんでしたが、そんなことも書き出しました。
皆川様私は、私自身がこの会社に就職した時、どこに魅力を感じたんだっけ?ということを思い出していました。当時、何をやっている会社なのかきちんとわからないまま入社した記憶があったので。「抜き型を作っています」と言われてもピンときていなかった。でも、仕事をしていく中で、私たちが作った抜型をもとに、コンビニやデパートで売られている商品のパッケージなど、よく見かけるものになっていることがわかってきたんですね。そうしたモノづくりの面白さにやりがいを見出していたことを思い出し、それを書き出しました。
その後、求人票の作成に取りかかったとのことですが
片桐様そうです。求人票の書き方も細かく教えていただきました。職種名は最初「レーザー加工機のオペレーター」としていたのですが、ただの単純作業に見えてしまうとのことで「レーザー加工機を使用した抜型製造業務」として“モノづくり”であることがイメージできるようにしました。作業内容も工程ごとに箇条書きにして、見やすさや読みやすさを意識するなど、コンサルタントに添削してもらいながら、工場長と2人で練りに練って作り上げた記憶があります。
皆川様日本一良い求人票ができたって喜んでました(笑)。
ハローワークに求人票を出して、結果はいかがでしたか?
片桐様求人票を出すタイミングもアドバイスをいただいて、少し時期をズラしました。結果、求人票を出したその週に5名から応募がありました。1名か2名くらいかなと想定していたので、びっくりです。10代~50代まで幅広く応募いただきました。面接も事前に準備していたので、非常に有意義だったと思います。会社の将来を担う大切な人材となるので、40分くらいかけてしっかり話を聞き、自社のアピールもしましたし、面接した方全員に工場見学もしていただきました。結果的には29歳の方を採用したのですが、彼は彼で面接に向けて準備してきてくれて、しっかりプレゼンしてくれたんですよ。
皆川様高校からずっとモノづくりの勉強をしてきて、レーザー加工に興味を持ってくれて、意気投合しちゃいましたね。彼を採用することができて、最高の結果になりました。
最高の結果だったとのことですが、何か苦労したことはありましたか?
片桐様そうですね、コンサルタントから求人票を自分で書いてみてくださいって言われた時ですかね(笑)。
皆川様最初は、全部やっていただけるという認識だったので「え?!自分で書かなきゃいけないの?」という。毎回「次回のコンサルティングまでに」と宿題が出たのですが、仕事以外でこんなに考えたことあったかな?というくらい考えました。でも改めて自分の会社について、自社の魅力について考えることができたのは、すごく良かったです。
片桐様来年にも1人定年を迎えますので、今回に倣って採用活動をして、世代交代がスムーズに進むようにしていきたいと思っています。
(写真:日本に5台しかないイタリア製のレーザー加工)
令和4年2月発行「令和2年度 人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
募集をかけても応募が少ない状況が続いていた。在籍している社員もベテランとなり、技術の継承や会社の活性化という意味でも若手の社員を採用したい。
コンサルティングを受ける前の採用状況を教えてください
石岡様当社には、設計、製造(板金加工)、検査と主に3つの職種があるのですが、当時20代で採用した若手は今は30代になっています。技術継承や事業の継続という意味でも、部下を付けて新たな人材を育てなきゃという思いで採用活動を始めたのですが、応募が少なく採用ができていない状況でした。そもそも、パン屋さんとかラーメン屋さんのように、どんな仕事で何を作っているのか、一般にはなかなかイメージできない業種ですよね。特に、当社はお客様からの要望に応じて様々なものを作っているので「これをメインにつくっています」ということも言えなくて。
ハローワークの担当者からも「板金加工で職種を絞って探される方はそれほど多くはいらっしゃらないかもしれませんね。」と言われ、どうやって採用活動をすればいいのか悩んでいました。
それで採用コンサルティングに依頼をされたということですね?
石岡様そうですね、東京都から送られてきたパンフレットの中に、コンサルティングに関する情報を目にして、それがきっかけだったと思います。
どのようにコンサルティングは進みましたか?
石岡様コンサルタントからも、仕事内容をもっとわかりやすく説明できないかと言われました。そこで、現場での仕事について改めて洗い出しをしましょう、とそこから始めました。
ただ、改めて説明を求められると「あれ?」と。現場の仕事はわかっているつもりだったのですが、きちんと理解していなかったんですね。考えてみれば、私自身のポジションは総務で、設計や検査の仕事に携わったことはありません。当然といえば当然です。
コンサルタントの提案で、一緒に現場へ出て社員たちにヒアリングをして回ることになりました。実際に聞いてみると、普段は寡黙な職人たちが事細かに説明してくれるんですね。コンサルタントも「すごい機械がありますね」とか「これ、絶対楽しいですよね」とか言ってくださって。それを聞いているうちに、私も「そうだよね、楽しいよね」と改めてこの仕事の、ものづくりの面白さを実感することができました。
そうして得た情報をもとに求人票を変えていったのですね?
石岡様求人票は、私が書いたものをコンサルタントと一緒にブラッシュアップしていく形で進めました。一番のポイントは、仕事内容をわかりやすく、興味を持ってもらえるような求人票にすることです。以前の求人票では、休日などの条件面があまり充実していないこともあり「誰でもいいですよ、歓迎しますよ」とアピールしていました。でも、コンサルタントと話をしたり、社員たちの話を聞いているうちに、みんな仕事にプライドを持っているし、誰にでもできる仕事じゃないよな、と考えが変わっていったんですね。この仕事に楽しさを見つけられる人に来て欲しい、そんな思いで求人票を作成しました。
結果はどうでしたか?
石岡様人材要件を考えると合っていないんじゃないかということで「若者正社員チャレンジ事業」に参加しました。若手の求職者に対し、実習を通して応募をしてもらう東京都の事業なのですが、もともと応募者には必ず仕事体験をしてもらっていたこともあって、スムーズに体験者を受け入れることができました。現在、製造業で正社員として採用し、活躍していただいています。
また、ハローワークの他、職業能力開発センターにも求人を出して、全体で20名くらいの応募がありました。採用したのは検査の方1名(女性)です。子育てのため時短勤務をしていますが、柔軟に対応し活躍されています。製造や設計は、条件面が厳しいこともあってか応募は少なかったですね。コンサルタントからもそのことは指摘いただいていたので、その後社長と条件面を改善しました。
コンサルティングを通して何か変化はありましたか?
石岡様一番は、会社や仕事の面白さ、楽しさをもっと伝えないともったいないなと思えたことです。現場の人って口下手というかシャイな人も多いのですが、コンサルタントが興味を持ってヒアリングしてくれたことで、こんなにたくさん喋るの?というくらい話してくれて(笑)。普段は寡黙なみんなが、こんなにもプライドを持って働いているとわかって、私にとっては大発見だったんです。こんなに面白い人たちがいて、面白いものを作っているんだったら、もっと発信していかないといけないなと考えるようになりました。何も知らずに求人票を書いていた、今まではなんだったんだろうと思っています。
(写真:多種多様な板金加工ができる工場)
令和4年2月発行「令和2年度 人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
継続的に行っているエンジニアの採用。事業特性上、マッチングが難しいことはわかっていたが、なかなか採用まで至らない。エンジニアの高齢化が進んでいることもあり、新しい人材の獲得が事業課題ともなっている。
どのような採用状況から申し込みに至ったのでしょうか
松本様当社では60歳を超えているエンジニアが多くいます。この先、退職者が増えることが見えている中で、事業継続のためにも新しい人材の確保がここ数年の課題となっておりました。経験者もしくは若い世代ということで、継続的に採用は行っているのですが、経験者では我々の事業分野に合う方がなかなか見つからない状況が続いていました。新卒採用も行っていましたが応募がなく、新卒で採用できたのは6年前の大卒者が最後です。
吉川様私は2年前にこの会社に入社しました。それまで長く人事畑でやってきて、当社でも人事を担当していますが、私が入社するまでは人事担当はいなかったんですね。忙しい中で社長と役員が人事を兼務していました。誠実で良いところがある会社だと思いましたが、一方でそれがなかなか求職者に届いていないのかなと感じました。
応募後の受け入れ体制はしっかりしています。例えば、面接に来た人には必ず工場を見てもらうようにしていますし、応募者に対するケアも丁寧にしています。しかし、そもそも応募がない。どうしたら良いのかなと考えているときに、たまたま人材確保相談窓口のチラシが目に入り、役員に相談して受けてみましょうということになりました。
(松本様:写真左、吉川様:写真右)
コンサルタントからはどんなアドバイスがありましたか?
吉川様そうおっしゃったわけではないのですが、ひとことで言えばアピールが下手だと(笑)。具体的には、求人票を大幅に見直しました。我々だけで作っていた時は、求人票の記載とリアルが食い違ってはいけないと思いすぎて、差しさわりのない内容になっていました。特に人によって受け取り方が変わってくるような主観的な情報は一切盛り込まなかったんですね。コンサルタントからは「誠実で良いところがたくさんある会社ですから、どんどんアピールしていきましょう」と言われました。
求人票はどのように改善されたのでしょうか?
吉川様会社のことや仕事内容などいろいろと見直しましたが、一番は求職者が気にする情報の中で我々がアピールできる項目を目立つ位置に表記し直したことです。今はスマホで求人を見る方も多いので、最初の数行が勝負だと。そこで「年間休日の多さ」や「土日休みの週休2日制」を最初に盛り込みました。この規模の会社ですと、そこはアピールポイントらしいんですね。テクニカルな部分も含めたコンサルタントからのアドバイスを参考に、新しく求人票を作りました。
結果はいかがでしたか?
吉川様ハローワークから中途で22歳の方を1名、大学指定のサイトから大学新卒者を1名採用しました。
他に専門学校から2名、来年の新卒者として内定を出しています。大卒の方は、就職活動シーズンのギリギリのタイミングで応募してきてくれました。その求人もコンサルティングを受けて新しく大学に出したものです。専門学校生は、当社の工場見学を通して興味を持ってもらえたことがきっかけです。もともとはインターン生として受け入れる予定でしたが、コロナ禍ということで中止になりまして。でもその後「せっかくだから」と工場見学をしてもらうことになったんですね。コンサルタントからも、そうした機会は積極的にいかした方が良いと言われていたので、スピーディに対応したことが良かったのかもしれません。
松本様中途採用の方は、前職は大工さんなんですよ。未経験でしたが、若いということと「モノづくりが好き」という共通項がありましたので、採用しました。私の経験則からも、好きであれば続くと思っています。
今回のコンサルティングを受けてみていかがでしたか?
松本様もともと、モノづくりに興味のある方であれば気に入ってもらえると思っていました。整然とした広い開発エリアの中にたくさんの機械があって、製品を作って、検査してとモノづくりの一連の流れを体験できるので、私自身も誇りに思える工場です。それを改めてコンサルタントから「せっかくこんなに良い工場なのですから」と言ってもらって「もっとアピールしましょうよ」って後押しされた。気持ちを盛り上げていただけたのは大きかったと思います。本当にできるのかなという気持ちもあった中で「よし、やってみるか」と前向きになれました。ただ、こんなに良い結果になるとは想定していませんでしたね。
今後は今回の結果を踏まえて、社内の人材も精査しながら、5年くらいの人事計画を立てて、しっかり採用活動を進めていければと思っています。