令和8年2月発行「令和6年度人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
創業以来、知人や地域ネットワークを介した採用が中心だった。事業拡大と人材の定着課題を背景に外部採用に取り組むが、応募はほとんどなく求人票の内容も手探りの状態だった。
コンサルティングを受ける前はどのような状況でしたか?
奥平様私が入社したのは2年ほど前で、総務・人事の経験がないまま採用を担当することになりました。もちろん求人票の書き方も手探りの状態です。都心から離れた奥多摩に位置する当社では、求人票を出しても応募がない日々が続き、「どうすれば求職者に関心を持ってもらえるか」といった課題を抱えた状況でした。
山下様これまでは、知り合いや友人経由での採用が中心で、外部に向けた採用活動は初めての取組みだったんです。どうしようかと悩みながら参加した中小企業経営者の勉強会で、東京しごと財団の支援を活用し成果を上げた事例を聞き、相談することを決めました。
コンサルティングはどのようなことから始めましたか?
奥平様最初に取り組んだのは求人票の改善です。そのために人材要件を見直すことから始めました。5W1Hワークを基に、どんな人材が欲しいのか、求めるスキルや経験をMUST/WANTに分けるなど条件の整理を行ったんです。次に、社員へ自身が感じている会社の魅力についてアンケートを実施し、そこで挙げられた魅力を求人票に落とし込んでいきました。その作業の中でコンサルタントから「複数の社員から共通して挙げられた意見は、確実に貴社の強みですよ」と言われたことがとても印象に残っています。
山下様実際に現場で働いている社員の言葉を通じて、本当に伝えるべきことが明確になりました。たとえば「道なき山に入っていく」「誰も見たことのない景色が見られる」など、「都心から離れた奥多摩」というデメリットになりがちな条件が、逆に「大自然の中で仕事ができる」というメリットにもなり得る、ということがわかりました。
新しい求人票の反応はいかがでしたか?
山下様コンサルティングを始める前から測量の学科がある職業訓練校に求人票を出していたのですが、今回のコンサルティングで作成した求人票に差し替えたところ応募があり、採用につながりました。「奥多摩」の地名も全面に出したのですが、そこにひかれて応募してくれたそうです。
他にはどのようなことに取り組みましたか?
奥平様面接の内容を見直しました。「履歴書を基に、順を追ってポイントを押さえることが大事ですよ」とアドバイスを受け、面接の中で応募者の仕事に対する意識や考え方が当社と合うかを丁寧に探るようにしました。
山下様具体的には、「なぜ転職を考えたのか」「前職の経験をどう活かせるか」など、確認すべきポイントを整理したんです。また、当社の仕事では測量精密機器を使用します。とても慎重に扱う必要があるのですが、それについて「大切に扱えますか?」と単純に聞くのではなく「普段身に着けているものを大切にしていますか?」という具体的な場面が思い浮かぶような質問に変えました。ミスマッチを防ぐためには、応募者が回答しやすい面接にする工夫が必要なのだと気付くことができました。
コンサルティングの感想を教えてください。
山下様「山が好きな人」という漠然としたペルソナから、「もっと絞れるような形で人材要件を定義しましょう」と言われたことが印象的でした。「誰でもいい」から「こういう人に来てほしい」という基準が明確になったことで、採用活動の方向性をはっきりさせることができました。
奥平様私自身、採用の知識がない状態から始めたこともあり、割と簡単に捉えていた部分がありました。しかし、実際にコンサルティングを受けてみて「人を一人採用し、定着してもらうために、企業はここまで努力をしなければいけないのだな」と驚きがありました。今回の学びは、今後の採用活動にも活かしていきたいです。
令和6年2月発行「令和4年度 人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
一定の予算をかけ継続的に求人を出していたが、母集団形成に苦労していた。
これまで採用活動にどんな課題をお持ちだったのでしょうか
越智様 当社では、新卒採用も中途採用も継続的に行っているのですが、採用計画に対して、応募数が圧倒的に少ないことが課題でした。予算をかければ解決するのかもしれませんが、そうもいきません。そのため、自社の採用ホームページから応募を増やせないかと、漠然と考えていたんですね。そんな時に「採用のアドバイスをしてくれる無料の支援サービスがある」という情報を耳にして、早速申し込みをしました。
コンサルタントからはどんな指摘がありましたか?
越智様
これまでの状況もお話した上で、採用ホームページを充実させたいと相談したところ、ハローワークの求人票の作成支援もできるということで、まずはそこから始めることになりました。既存の求人票を見てもらったところ、「全体的に説明が抽象的なので求職者に伝わりにくくなっている」と指摘を受けました。
そもそも、当社の事業や業務は一般的にわかりにくい部分があります。例えば、公共工事の「土木施工管理」といっても、ゼネコンなどの工事を請け負う側ではなく、発注者となる国土交通省側に立ち、工事を円滑に進めることが、当社の「土木施工管理」なのです。国土交通省の職員さんを支援することが主な役割になるため、細かな部分で一般的な施工管理とは業務内容が異なります。
具体的には、どのように求人票を改善していったのでしょう?
越智様
そうした事業や業務のわかりにくさもあり、抽象的になってしまっている箇所を改善していきました。ただ、いきなり文章を考えるのではなく、用意されたワークシートを活用し、仕事内容や自社で働く魅力について、アドバイスをいただきながら書き出していきました。細かい仕事内容は、現場の社員にヒアリングを行い、しっかりと準備を整えてから、求人票の手直しをしていった感じです。
結果的には、経験者向けと未経験者向け2種類の求人票を作成しました。経験者向けには、1日のスケジュールを出して細かな仕事内容を伝えたり、先輩社員の声を伝えたり。未経験者向けには、仕事の特性とともに、「素直さや学習意欲が大事」などの、求める人物像を中心に盛り込みました。また、共通して入れたのは、「ホクト塾」という勉強会を定期開催して資格取得支援を行っていることや、福利厚生面です。ウォーキングイベントや健康セミナーなど、「魅力になるの?」と思えることも、アドバイスをもとに盛り込んでいきました。
面接に関するコンサルティングも受けたと聞いています
越智様
そうですね、いろいろとアドバイスをいただいて、「面接評価シート」を作成して導入しました。当社には7名の面接官がいるのですが、それまでは共通したヒアリング項目や評価シートがない状況で、属人的に面接を行っていました。それでも、ミスマッチは少なかったと思うのですが、合否決定の話し合いをする中で、意見が割れて判断に迷うことがあるんですね。そうした際に、きちんと数値化された判断材料があった方がいいし、共通のヒアリング項目があることで「聞き漏れ」もなくなります。実際に導入してみて、効果を実感しました。
「圧をかけていないか」「企業は求職者に選ばれる側でもある」など、面接での注意点や意識すべきこともアドバイスをいただきました。アドバイスの中には、既に実践できていたこともあったので、これまでやっていたことが間違っていなかったという確認ができたのも良かったですね。
その後の採用状況を教えてください
越智様 はい、ハローワークにはまだ求人を出せていないのですが、改善した求人票をもとに、他の求人媒体も順次修正をしていきました。そのおかげもあってか、2名の方を採用しました。
今回コンサルティングを受けてみていかがでしたか?
越智様
まだコンサルティングが終わって日も浅いので、学んだことはこれから活きてくると思っています。採用ホームページについても、今、社員から情報を集めてコンテンツを増やそうとしているところです。もともと一番やりたかったことですし、ただ変えるだけでは意味がないと考えていたので、掲載する情報の質を高められるというのはコンサルティングのおかげです。
また、コンサルタントから明快な指摘をいただけたこともありがたかったです。「全体的に抽象的ですね」「面接シートを作った方がいいです」など、言い切ってくれたことで背中を押されました。もともと自分でもわかっていたことなのだと思います。それをストレートに指摘してくれたことで、やらなきゃ、という行動力に繋がったと感じています。
令和5年2月発行「令和3年度 人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
電気系のエンジニアは業界でも取り合いの状況で、随時募集していたが採用に至らず苦戦していた。
コンサルティングを受けることになったきっかけを教えてください
木村社長あらゆる分野の産業でエレクトロニクス技術が使われている今の世の中で、電気系のエンジニアは、引く手あまたな人材です。我々もずっと求人を出してはいたのですが、採用には結びついていませんでした。特に我々の「計測」「制御」という事業は、少しイメージしづらい部分もあり、それが採用を難しくしている1つの要因ではないかと思っていました。そんな中で、総務部長がコンサルティングを見つけてきてくれまして。やはり何か足りない部分があるでしょうし、同じことを続けていても変わらないと感じていましたから、指導していただこうと、それがきっかけです。
コンサルティングはどのように進んでいきましたか?
木村社長コンサルティングの前半は、社内アンケートなどいくつかのワークを通して、自社の魅力を引き出してもらい、そこから人材要件の話へ進みました。やはり、どこの企業もそうだと思いますが、自分たちのことは自分たちでなかなか客観視できないじゃないですか。だから、外部の方と一緒に考えられたのは良かったと思います。「ここも魅力だと思いますよ」など、コンサルタントからたくさん褒めてもらいました(笑)。褒めて伸ばしてもらったのだと思いますが、それでも我々の仕事や職場の魅力が客観視できたことで、前向きな気持ちになれたことは確かです。
また、自分たちの会社について考えるきっかけをもらったことで、人材要件に関しても少しこれまでとは違う基準が生まれてきました。人を選べる状況ではありませんので「来るもの拒まず」という方針は従来通り。ですが、やはり我々の会社はお客様からの信頼の上に成り立っている部分が大きいため、社会人としてのマナーや、仕事をする上で我々が求めるルールはきちんと守っていただきたい。それができる「人」をしっかり見て採用をしようと。経験やスキルだけで即採用という判断はしないということですね。
その他に取り組んだことは何でしょう
木村社長コンサルティングの後半は、ハローワークの求人票の見直しです。これまでは、未経験者も経験者も同じ求人票で募集していました。でも、未経験者と経験者とでは期待することも違いますし、アピールすることも異なってきます。コンサルタントの方からアドバイスをもらいながら、経験者向けと未経験者向けの求人票を作成しました。また、これまで年間休日が119日だったのですが、「120日以上」の方がよりアピールしやすい日数だということで休日を1日増やすなど、魅力を増やすために福利厚生も見直しました。
結果的には、50代後半の経験者を採用することができました。我々の求人を見てわざわざ遠方から応募してくださったのですが、これまでの経験もさることながら、面接を通じて人物的にも採用したいと思える方だったので、良い採用ができたと考えています。
コンサルティングを受けてみての感想を教えてください
木村課長私もコンサルティングには全て参加しましたが、「採用活動のための教科書」を授けていただいたなという感覚です。採用活動とはどういうものか、何が必要で、どう進めるのが良いのかなど、これまでぼんやりしていたものが明確になったと思います。ただ、それを行動に移せているかというと、まだまだです。授けていただいたことを、きちんと行動に繋げていくことが今後の課題かなと感じています。
木村社長今回、さまざまなことを勉強させていただきましたが、全体を通じて、自分たちに自信が持てるようになりました。たくさん褒めてくださったこともそうですが、自社の魅力を再認識できたことや、採用活動について整理していただいたことで、ポジティブに考えられるようになったことは良かったです。ただ、課長が言うように、採用についてはもちろん、入社後の受け入れ体制だったり、長く働いてもらえる環境をつくることだったり、まだまだやるべきことはたくさんあります。できていないことも多いですし、これからの採用活動に向けて、ようやくスタートラインに立てたのではないかと思っています。
令和4年2月発行「令和2年度 人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
事業戦略の一環として、採用を強化しようと方針を打ち出し活動をしていたが、なかなか結果が伴わず限界を感じていた。新たな人材を採用し、今いる中堅社員をステップアップさせたい。
どのような採用状況から申し込みに至ったのでしょうか
光達様1年前に父が社長であるこの会社に入社したのですが、その前までは上場企業に勤めていました。その経験も踏まえて組織を見直したときに、将来を見据えて新しい人材を育てる必要があるだろう、と採用を強化していくことにしました。
ハローワークに求人票を出すことはもちろん、いろいろ探して掲示できるところには求人を出していたのですが、あまり反応が良くなかったんですね。応募があっても結局は内定辞退されてしまうことが続きまして。そんな中で、ハローワークを通じて採用コンサルティングのことを知りました。これはプロの手を借りた方が良さそうだな、ということでお願いすることにしました。
どのようにコンサルティングは進みましたか?
光達様コンサルタントと話をする中で、まずは採用の背景や熱意を求人票に表現していきましょうということになりました。求人票の見直しにあたっては、改めて我々はどんな理念のもとにどんなビジネスをしているのか、というところから見つめ直しました。また「この会社で働く魅力は何か」を知るために、社内アンケートも実施しました。
そうした準備を経て求人票はどう改善されましたか?
光達様他の求人でもよくある表記だと思うのですが「月給25~35万円」のように当社でも幅のある給与表記をしていたんですね。これは未経験者から経験者まで幅広い応募者を想定していたからなのですが、じゃあこの10万円の差は何が違うんですかと問われた時に、明確な設定ができていなかったんです。そもそもニッチなこの業界の、さらに経験者ともなると対象者数は相当少ないだろうということに気づき、今回は若手の未経験者に絞った求人票を新たに作ることにしました。
職種や仕事内容をかみ砕いてわかりやすく表現するなどの工夫でしょうか
光達様そうですね。給与は幅のある表記を無くして、仕事内容もわかりやすい表現を心がけました。入社してからの教育体制や「一緒に成長していきましょう」というメッセージ、ニッチな業界だからこそ競合が少ない、公共事業も多いから安定した経営を続けているなど、さまざまな角度から求人票でアピールしました。コンサルタントに見てもらいながら、恐らく10回以上は修正を重ねたと思います。
またコンサルタントからのアドバイスで、サービスエンジニアの経験者向けと、別途営業職の求人票も作成しました。経験者からの応募があるかもしれないですし、営業職は求職者が多い職種とのことで、少しでも求職者との接点を増やしましょう、と複数の求人票を出しました。
結果はいかがでしたか?
光達様結果的には、未経験の方を3名採用することができました。2名はハローワークから、1名はハローワークより少し後に掲載した有料媒体からの応募者です。狙い通りといいますか、ハローワークも有料媒体も未経験者向けに作成した求人からの応募です。1名は女性で異業種からの転職だったのですが、面接時の印象が良かったことが当社を選んだ理由のひとつになったようです。正直こういう業界ですし、女性からの応募は想定していなかったので良かったです。
面接に関しても何かアドバイスを受けたのでしょうか
光達様ひと通りレクチャーしていただきました。今回の面接でもそれがいきたと思います。以前の面接を振り返ってみると、応募者が面接に来た時点でこちらは採用する気満々なんですよ。もういきなり判断を迫ってしまうような、そんな面接でした。応募者からすればそんな大事な判断を、企業のことをろくに知りもしないで決められませんよと。ですので、最初はお互いに自己紹介をして、会話の中で気持ちを高め合うようなステップを踏んで、面接を進めていくということを学びました。
コンサルティングを通して得られたことは何でしょう
光達様今回、全5回のコンサルティングを2週間おきに行きました。手順を踏み、毎回出てくる課題をコンサルタントにリードしてもらいながら、真摯に向き合って解決していく。そうすると、おのずと私たちはこういう会社で、こういうことがアピールできるんじゃないかということがわかってきて、整理されていくんですね。私だけで知見を集めたとしても、どう整理するのかがわからないといかしようがなかったと思います。こうした採用活動におけるプロセスを経験できたことが、今回の一番の価値だったと感じています。ありがとうございました。