人材確保コンサルティング 活用事例
職種名の変更で次世代を担う人材を採用
“デザートで人を笑顔にする仕事” その一行の提案が新風を巻き起こしました。
全酪フーズ株式会社
令和8年2月発行「令和6年度人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
コンサルティング概要
- ▪職種名を工夫し訴求力を強化
- ▪社内の意識改革を後押し
- ▪求人票を魅力的に改善
応募者数が少なく、採用しても早期離職が続いていた。過去の実績や成果が採用変革を妨げていた。
- ▪職種名の刷新が応募者層の変化を生み、積極性のある人材を採用
- ▪仕事内容や職場環境の魅力を明確に伝えられるようになり、応募者の理解度と納得感が向上した
成果を上げてきた社風が、採用と定着の壁に
コンサルティングを受ける前はどのような状況でしたか?
岩田様コロナ禍以降、人材の採用と定着に課題を感じるようになっていました。求人票を出しても応募が極端に少なく、採用に至ったとしても早期に離職されるケースが続いていたのです。当社は設立から67年が経過しており、いわゆる“昭和的”な組織文化が今も色濃く残っています。これまでそのスタイルで成果を上げてきた背景もあり、採用活動についても大きな改革を行わないままの状態でした。そうした状況の中で、コンサルティングの案内を受けました。以前、東京都の別事業を利用して派遣社員を受け入れた経験があり、行政の支援施策に対する信頼感があったことも、今回の取組みを始める後押しになりました。採用担当として、「このままではいけない」という強い危機感を抱いており、外部の専門的な視点を取り入れることを、社内変革の契機にしようと考えました。
コンサルティングはどのようなことから始めましたか?
岩田様最初に取り組んだのは、現在の求職者がどのような価値観を持ち、企業選びの際に何を重視しているのかを理解することでした。年代別の傾向について具体的に説明してもらえたことは、私自身の認識を大きく改めるきっかけになりました。続いて代表取締役や支店長・常務といった、採用に関わる社内関係者へのヒアリングも実施してもらいました。このプロセスを通じて、社内で課題を共有し、意識改革を進めるための基盤を築くことができました。
自分たちの“当たり前”も、求人票では差別化ポイント
どのような流れで求人票を作成していきましたか?
岩田様職種名を変更するというところから始まりました。“企画営業”から「“デザートで人を笑顔にするルート営業”はどうですか?」と提案があり、私には考えもつかない内容で、非常に衝撃的でした。一見すると大胆に見えるかもしれませんが、仕事の本質はそのままに、メッセージ性を高めるという点で大変有効な施策だったと実感しています。求人票の具体的な作成にあたっては、自社の魅力や職場環境について思いつく限りの項目をリストアップしました。たとえば「残業が少ない」「駅から近い」といった、社内では当たり前と感じていた情報も、アピールポイントになり得ることを学びました。さらに、それらをただ並べるのではなく、求職者にとってわかりやすく、印象的な表現に整える作業にも丁寧に伴走してもらいました。文章化に際しては、自社の理念や業務内容との整合性を意識しつつ、「応募者の視点で再構築するという姿勢が大事」と助言されたことが印象に残っています。こうした一連の取組みにより、求人票は従来の形式を超え、採用広報としての役割を果たす重要なツールへと進化しました。
これまで応募がなかったタイプの人材を、即戦力として採用
新しい求人票の反応はいかがでしたか?
岩田様求人票の刷新後、応募者の志向に明らかな変化が見られました。従来は「営業」の職種に応募いただいても、業務の内容や目的を深く掘り下げ、理解した上で応募される方は多くなく、結果的にミスマッチが起きている状況でした。新しい求人票では、自社の業務内容や期待する人物像が具体的に伝わるようになったことで、「自分がこの仕事にどう貢献できるか」という視点を持つ方からの応募が増えました。
採用したのはどのような方ですか?
岩田様今回採用した女性社員は、営業経験こそなかったものの、接客業を通じて培った対人スキルを身につけており、積極的な性格で即戦力になり得る人材でした。当社は比較的保守的な社風がありましたが、彼女のような人材が入ることで、組織全体にも良い刺激が加わったと感じています。また、業務内容や役割への理解が非常に高く、「デザートで人を笑顔にする」というメッセージに共感して応募してくれた点も、これまでとは大きな違いでした。入社後の定着状況も良好で、求人票で会社や仕事の魅力を正しく伝えることの重要性を改めて認識しました。今後の育成や配置においても、このような視点を活かしていきたいと考えています。
未来を見据えた、よりよい会社づくりを目指して
コンサルティングの感想を教えてください
岩田様最も印象に残った言葉は、「若い人を採りたいなら、若い人の考えを理解しないといけません」というアドバイスです。この言葉を受けて、応募者が何を重視するかを考え、会社としても理念や風土の見直しに踏み出しました。コンサルティング後は、中長期的な人材戦略を立てるために、東京しごと財団が開催している人材戦略集中講座と人材戦略コンサルティングを活用して、現在は「ミッション・ビジョン・バリュー」という、企業の存在意義とあり方の言語化に取り組んでいます。近年、「社員の幸福と社会に貢献ができる企業でありたい」というような経営理念を掲げる大企業もありますが、私もこのような考え方を、定年までのあと2年で次の世代に引き継いでいきたいと考えています。「採用」というきっかけから、会社そのものの未来を考える、非常に意義のあるコンサルティングとなりました。