中小企業採用力向上支援事業

セミナーレポート

中小企業採用力向上支援事業 
人材確保セミナー

「採用できない」「定着しない」中小企業さま必見
介護福祉業界で離職率7%を実現!
経営者が語る「採用の工夫と人材育成、定着のための取り組み」

2019年10月8日に、中小企業採用力向上支援事業の人材確保セミナー『介護福祉業界で離職率7%を実現!経営者が語る「採用の工夫と人材育成、定着のための取り組み」』を開催しました。

開催日時 2019年10月8日(火) 13:30~15:50
開催場所 TKP東京駅セントラルカンファレンスセンター 10A(東京)
内容
  • ◯ 辞めない組織をつくる
  • ◯ 採用のための取り組み
  • ◯ コーチングによる人材育成と組織作り
  • ◯ 経営者とリーダーたちがすべきこと
講師 森 一成 氏 社会福祉法人合掌苑 理事長

合掌苑のミッション=合掌苑に関わる全ての人を幸せにする

幸せとは何でしょうか?
幸福感というのは、お金がある、環境に恵まれてる、才能がある、といった他者との比較の中で決まるものではありません。
幸せには4つの因子 ①自己実現と成長「やってみよう」 ②つながりと感謝「ありがとう」 ③前向きと楽観「なんとかなる」 ④独立とマイペース「あなたらしく」があると言われています。
この4つの因子が高い人は、どんな環境下でも幸福感を感じます。
仕事においても、この4つの因子がきちんと回る組織を作れば、みんなが仕事をすることに幸せを感じ、それが辞めない組織作りにつながるのではないかと考えています。

辞めない組織作り、まずは採用段階から

採用で大事なことは、採用担当者以外のスタッフが多く関わることです。そうすると、採用充足率は高くなります。
中途入社の職員に合掌苑を選んだ理由を聞くと、ほぼ全員が「人から聞いた」と答えます。
社員全員がリクルーターとなって周りに声をかけていくような取り組みが必要です。そのためにも、社員が魅力あると感じる職場作りが不可欠です。

もう一つ大事なことは、企業のトップが採用に関わることです。
今の新卒採用を例えるなら、船がたくさん港に泊まっている状態です。港では企業が船の乗り心地を強調し、学生たちを自分の船に乗ってもらおうと必死です。しかし、お客様気分で船に乗ってきた学生たちは、ちょっと船が揺れると文句を言い、さっさと船を降りてしまいます。これは、船への乗せ方が間違っているのです。
本来、船に乗る目的は人生の目的の実現です。自分の進みたい方向と最も近いところに向かおうとしている船を選ぶのが正しい選び方です。
船がどの方向に向かおうとしているのかを決めているのはキャプテン=経営者です。
中小企業のトップが、大企業と同じように採用担当者に任せていたら、大企業に勝てるわけがありません。大企業はトップに会いたくても会えませんが、中小企業ならトップの話を聞くことができます。
中小企業のトップは、採用の場で自社の経営理念「我が社はこういうために存在しているんだ」「我が社はこういうことを実現したいんだ」ということを情熱を持って語る必要があるのです。そういう採用の仕方をすることが大切なのではないかと思うのです。

理念はマニュアルではなく、考えるための指針

入社したら、理念教育をしっかり行うこともとても重要です。
合掌苑では、採用時のオリエンテーションと誕生月に受ける誕生月研修の中で、私から職員に合掌苑の理念を伝えます。理念が絵に描いた餅にならないように繰り返し伝えます。
毎日行われている申し送りでも「コミットメントの時間」というのをとっていて、職員全員に「お客様の尊厳を守りたいときはどんな時ですか?」など、理念についての質問をしています。これに職員は考えて答えます。
理念というのは、ただ読んでいるだけではダメなんです。理念はマニュアルではありません。
理念は考えるための指針ですから、考えてもらわないといけません。
考えてもらうために一番いい方法は質問することです。だから私たちは毎日やっています。

コーチングによる組織作り

合掌苑では、月に70回のコーチング面談を行っています。
コーチング面談では最後まで話を聴くことです。途中で反論してはいけません。教えるのではなく、気づきを与えることが大事です。こちらが解決する必要はありません。話を聞いていれば、そのうち必ず話は前向きに変わってきます。
間口を広くとってあげたほうが話しやすい、狭めたほうが話しやすいなどの個別のクセや、話すスピードなど相手に合わせて対応することも重要です。
そして、面談は月1回程度、定期的に継続的に実施します。思いついたときにやる、または半年や1年に1度の間隔でやる面談は逆効果となります。

コミュニケーションは離職率低下の切り札

面談といったフォーマルのコミュニケーションとは別に、日本人はアンフォーマルのコミュニケーションも大切です。
合掌苑では、全職員の誕生日にハンカチのプレゼントと私からのメッセージを渡しています。
また、職員から職員に対する感謝の気持ちを「サンクスカード」という形で実施しています。
合掌苑では1年間に2万回の「ありがとう」が飛び交い、13年続いています。
「当たり前」ではなく「ありがとう」がベースになっている組織だからこそ、これだけ続いていると言えるでしょう。

中小企業の経営者へメッセージ

組織を木に例えると、「企業の成果」というのは木に咲く花です。大きな花が咲くには太い幹が必要です。太い幹とは「仕組み」です。
その太い幹を支えているのは大きな根っこです。大きな根っこは「人」と「環境」です。人も組織も根っこが一番大事です。
その根っこを作っているのは土壌、組織風土です。
今日私がお話しした取り組みが、みなさんの企業にすべてあてはまるわけではありません。合掌苑でも、やってダメだったことがたくさんあります。それは土壌に合わないからです。組織風土というのは土を作っていますが、悪い組織風土では何をやっても根付きません。
組織風土を良くするためには肥料が必要です。その肥料の一つは「理念」です。
この「理念」という肥料は入れただけでは浸透しません。浸透させるためには、社長が繰り返し繰り返し唱えることです。これが、みんながついていこうとする組織風土を生むのです。

社会福祉法人 合掌苑

事務局より

今回は、東京・町田の社会福祉法人合掌苑の森理事長に、人材不足が深刻化する中、どのような取り組みで離職率を改善し、採用できる組織に変えていったのか、お話していただきました。
いろいろな仕組みを作られ、実践されていますが、それはすべて「職員が働きやすく、幸せだと感じる組織づくり」にするための取り組みでした。
経営者が「経営理念」をきちんと持ち、繰り返し社員に伝え続けることがいかに大切かを教えていただきました。

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