令和7年2月発行「令和5年度人材確保コンサルティング好事例集」より抜粋
退職に伴う営業職の欠員募集。採用市場・動向の変化の影響で採用が困難になっていた。
コンサルティングを受ける前はどのような状況でしたか?
内沼様当社は、モノづくりのまち大田区で1941年よりガラス加工一筋。製品は半導体や通信、航空宇宙産業、自動車など最先端の研究開発に大きく貢献しています。今までは募集をすればすぐに応募が来ていたので採用について深く考えたことはなかったのですが、営業職で欠員が出たため募集をかけたところ1年で面接が2件だけだったんです。以前にはなかったことで、ここまで苦戦したのは初めてです。
島様こちらが人を選んでいた状況から、選ばれる立場に変わっていったことを感じました。内定を出しても辞退されることも出てきましたから。有料求人媒体でスカウトメールも活用しましたが、500~600件送って面接を実施できたのはたった1名。頭を悩ませていたところ無料でコンサルティングが受けられることを知り申し込むことにしました。
コンサルティングはどのようなことから始めましたか?
島様まずは人材要件を明確にするため、自社がどのような人材を求めているかについてコンサルタントと話を重ねました。その中で、人材要件のMUSTとWANTを整理することになったんです。入社前から持っていてほしいものがMUST で、入社してから学んでもらえればよいものをWANTとして考えるのですが、これを整理したことで「あればいいな」という程度だった製造経験を、いつの間にかMUST要件にしてしまっていたことに気がつきました。話を掘り下げていく中で知らず知らずの矛盾が見つかり、まさに目からウロコでした。
コンサルタントからはどのようなアドバイスがありましたか?
島様ハローワークで募集をしているものの、担当者とはメールでのやりとりのみだったのですが「窓口に行ってみると採用への熱意が伝わりますよ」とアドバイスを受け、2人で足を運びました。求める人材像を職員の方に伝えると、行ったその日にさっそく1名紹介してもらえたんです。それが今回採用した秋山さんです。また、求人票の表記規程についても相談することができ、休日欄を正しく記載し求職者へアピールできるようになりました。これも応募が増えたひとつの要因だと思っています。
どのようなことをポイントに求人票を作成していきましたか?
内沼様「こんな人が活躍していますと記載するなど、求職者が入社後のイメージを持てるような求人票を作りあげましょう」とアドバイスを受け作成していきました。
島様人は文章を上から読んでいくので、伝えたい重要な項目は上に書く。興味を持って読んでもらえるように文章の構成を工夫する。そんなテクニックも教わりました。
内沼様まずは職種名から変えていきました。求職者が興味を持つ言葉の選定など、アドバイスをもとに丁寧に進め、10案以上は考えたと思います。最終的に決まったのは“専門知識がなくてもプロになれる営業”です。完成した時はいい求人票ができたと思いました。
他にはどのようなことに取り組みましたか?
島様求人票には、初めてでもしっかり育てますというような、未経験者を後押しするメッセージを記載していました。ですが「そうはいっても自分にできるのか不安」という求職者も多いのではないかと考え、面接においては特に求職者への動機付けを意識するようになりました。
内沼様入社後、自分のスキルがどう活かせるのかを分かりやすく伝えるんです。接客経験がある方なら、当社は対面式の営業なのでその経験を活かせますと伝えたり。入社後の教育内容を明確にして成長のビジョンを見せることで、活躍のイメージを持ってもらえるような会話を心掛けました。
コンサルティングの感想を教えてください
内沼様今回応募数だけで10倍以上に増えたと感じています。満足度は120%です。本当のMUST要件を整理したおかげで、採用の間口を広げることができました。求職者目線で考えること、本当に欲しい人材像が何かを把握することが大事なんだなと思いました。コンサルティングで得たノウハウは製造現場での採用活動にも活かし採用に繋がりました。現在は部署の責任者間で事例の共有もしています。